山内あやり
江戸しぐさに学ぶおつきあい術

山内あやり著
「江戸しぐさに学ぶおつきあい術」
(幻冬舎エデュケーション)
1,155円
2013年6月25日より
全国の書店にて
好評発売中!
「江戸しぐさ」恋愛かるた

山内あやり著
「江戸しぐさ」恋愛かるた
2009年12月より全国の
書店にて好評発売中!
オフィスルチャボイス [山内あやり]

江戸しぐさとは

江戸しぐさとは、江戸商人のリーダー達の生活信条を、現代の日常によみがえらせて
わかりやすい教えの言葉にまとめたもの。その数は 八百とも八千とも言われ、
今日まで口伝で継承されてきました。そもそも江戸時代に「江戸しぐさ」という言葉は無く、
名付けたのは 故 芝三光氏。私の江戸しぐさの師である、越川禮子 氏の師匠にあたります。

江戸は、徳川家康が幕府を開いてから人口が増え続け、18世紀初めには100万人を超える
世界有数の大都市にまで発展しました。出身地や、職業、使う言葉も様々な人々が、
人口密度の高い一つの町で円滑に暮らしていくためには、知恵やルール、相手への心遣いが必要でした。

それを 商家の主など人の上に立つ人達が率先して考え、自ら行動に示していくうちに、
江戸の町の"当たり前"の生活信条として浸透していったのです。
その行動哲学は、現代にも通じる"人のあるべき姿"であり、"共生"の精神を伝えていて、
合理的で、時に身を守る危機管理の教えとも言えるでしょう。

商人道「江戸しぐさ」

江戸しぐさは、江戸町方の商人の中でもリーダーとなり人の上に立つ者の考え方や行動が始点となるため、
その数ある教えの中には、商いをする上で大切な心得が伝えられており、現代の処世術にも応用できる、
円滑なお付き合いの仕方を学びとることができるでしょう。

どうしたら各々の商売がうまくいき、江戸の町が栄えて、平和が長く続く国になるだろうか?
町方の商人達は、常につむじを寄せ合っては考えていたそうです。
町衆とはいえ 人の上に立つ者となると、四書五経などの古典を学び教養を積んで、常に自分を
磨いていましたので、ひしめき合う江戸の町で、皆が気持ちよく稼ぎ、暮らすために
最低限守らなければならないルールや決まり事を生みだしていき、上に立つ自らが率先して行い、
目に見える "しぐさ"として手本となるよう実践して示したのです。

当時は「繁盛しぐさ」「商人しぐさ」と言われていたそうです。

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<具体例として、江戸しぐさの基本的な教えを ほんの一部ご紹介します>
傘かしげ 狭い道で傘をさしてすれ違う時、相手のいない方向に互いの傘を少し傾けること。雨の滴で相手を濡らさないようにする為、また、先端が相手に当たって危なくないように気遣うこと。
あいさつであり、無用のトラブルを防ぐ危機管理でもあるのです。
うかつあやまり 例えば足を踏まれた時など、トラブルがあった時、相手の方が悪いと分かっていても、自分のうかつさを戒め、その場を円滑にする姿勢が大切。
相手を責めるだけでは、問題は決して解決しないことも事実なのです。
時泥棒をするな "時泥棒は弁済不能の十両の罪" 商家の書き入れ時は、時間に追われて慌ただしく暮らしていたので、相手の都合も考えずに押しかけて来る人のことを時泥棒と呼び、取り返しのつかない重罪と捉えていました。
現代では電話のやりとりの場面など。
結界わきまえ 専門家をたて人の領分を侵さないということ。得意分野でもないのに 知ったかぶりをしてしゃしゃり出る言動は江戸でも軽蔑されたようです。
そのかわり、自分の専門分野に関しては何を聞かれてもいいよう、責任を持つことが肝心でした。
三脱の教え 初対面で 相手の年齢・職業・地位を聞かないのが江戸では当たり前でした。名前も(氏(うじ)と名)の両方を名乗ったり、仕事内容や住所、家族構成など詳しい自己紹介をあえてしないでいることで、先入観なく相手の本質を見極めましょうという教え。

「江戸しぐさ」との出会いと今日まで

師である越川禮子先生と出会ったのは2003年12月。私にとって「江戸しぐさ」との出会いでした。
当時 FMラジオ局で中小企業をテーマにした番組を担当していた時、日本の企業の8割以上を
占めると言われる中小企業やその経営者が抱える課題の中には、江戸しぐさで語られる商人道
(江戸町方のリーダー達の生き方)に学ぶべきヒントや、多くの共通点があると感じたことが始まりでした。

「口約束を守る」「時泥棒をしない」「聞き上手は相づち上手」
「肩書きを気にしない」「人のしぐさを見て決めよ」等々・・・数ある教えの内容は、
現代のビジネスシーンに活用出来る実例が多いのですが、その根っこには、
人として "より良く生きるための原理" が込められているのだと知り、
より深く江戸しぐさを理解するために越川先生に入門し、さらに研究を進めてきました。

江戸しぐさは、今も昔も変わらない日本人のアイデンティティーの一つと言えるでしょう。
この継続のためにも、より多くの人に伝えていきたいという思いから、ラジオをはじめ、
メディア活動を中心に、講演、執筆など、活動の場を広げてまいりました。
また、現在、江戸期の古文書を原文の資料で読み説き、江戸しぐさの背景となる当時の町の
暮らしぶりを探っているところです。
活動を通して江戸しぐさを広め、江戸しぐさを通して日本人の精神文化を伝えていくことが
私の使命だと思っています。

2009.12著書出版にあたり

著書「江戸しぐさ」恋愛かるた(三五館)は、江戸しぐさを身近なものとして”若い世代”にも伝えたいと思い、
恋愛のシーンを例にした いろは47項目に絞った「江戸しぐさ」を”お付き合い術”にまとめました。
江戸しぐさは、毎日の暮らしの中にちりばめられている、魅力的に生きるヒント。
それを、どう活かせば幸せになれるのか、いろはかるたで楽しくひも解いています。
江戸しぐさ
東映教材用DVD撮影
江戸しぐさ
フジテレビ「エチカの鏡」密着取材
江戸しぐさ
兵庫県教育委員会 夏季研修 講演(神戸)
江戸しぐさ
城南高等学校 講演(静岡)